前原 佑柾(写真右)

1992年生まれ。岡山県出身。滋賀県在住。
京都精華大学芸術学部映像コース在籍。

中村朱里(写真左)

1994年生まれ。大阪府出身。
京都精華大学芸術学部映像コース在籍。

ー 中村朱里さん過去作品【想】についてお聞かせ下さい。
これは今年の夏に作られた作品ですよね、作ろうと思ったきっかけは?

「想- Trailer -」(2014年)
Directed by Akari Nakamura.

中)櫻井先生の授業の課題だったんですけど、色んなテーマがあってその10項目くらいのテーマの中から何個か選んで自分の作品にする。っていう課題だったんですけど。その中で自分は、自分の頭の中にある「記憶」みたいなものをテーマにしようと思って作りました。

ー 「記憶」ということなんですが、具体的にはどういう風なコンセプトで作られたのですか?

中)ちっちゃい頃に、私めっちゃおじいちゃんっこだったんですけど、ちっちゃい頃におじいちゃん癌で死んじゃって、その死ぬまでの…2歳半くらいで死んじゃったんですけど、死ぬまでの記憶が、結構「音声」というよりも「映像で“パッパッパッパ”って残ってて、それをなんか自分の頭の中に、こう…残ってる「色」とか、その「思い出」っていうのを映像化したいと思って作りました。

ー 作中で使われている朗読文は、ご自身で考えられたんですか?

  

中)そうですね。中学生・高校生の時に本で読んだ一説とか、自分がいいなって思った、思いついた文章などを手帳とかに書く癖があって、その中から適当にいいなって思う文をピックアップしていって、当てはめたって感じです。

ー とても繊細な言葉で「間」が綺麗でした。

中)ありがとうございます。

ー 背景に映ってる映像がとてもきれいだったんですけれども、あれはどういう風に思って作られたんですか?

中)えっと、それは…。まず、綺麗な映像を撮りたいな。と思ってて、水槽の中に絵具を垂らして、そしたら水槽の中で絵具が広がるじゃないですか。っていうのが単純に撮りたかった。っていうのと、自分が昔に思い出がある地に訪れた関連のあるものが作りたくて、色んな場所に撮りに行ったっていうのと、その絵具の映像を合わせて作ったって感じです。

ー 結構大がかりな感じになってますね。

中)めっちゃ時間かかりましたね。

ー 苦労されたエピソードとかありますか?

中)まず、作品を作るという機会が、中・高とも普通の学校で勉強普通にしてただけだったんで、自分の作品を作るという時点でどうしたらいいか分からなくて、それプラス自分がこう撮りたいと思ったら撮れるまでめっちゃ粘る癖があるというか…(笑) 南港に海を撮りに行ったんですけど、それも結局3日間くらい撮りに行って、なんか天候で自分の記憶に残ってるのがめっちゃ晴れの日で。 めっちゃ綺麗な映像が頭の中に残っているのに、1・2日目曇りで綺麗な感じに撮れなくて、めっちゃイライラして(笑)
3回目に行ったときに、ちょうど晴れてて「あ!こんな感じやった!」みたいな感じの絵が撮れて、1つの場所にめっちゃ時間かかってしまったので大変でした。笑

ー 【CRYSTAL IMAGE 0】の出展作品について。
どんなものを作られているんですか?

中)アニメーションを書こうと思って、それも最初作ってたの課題やったんですけど、ボールペン画「ペン画」をずっとやりたくて、受験の時は鉛筆デッサンしかやってなかったんで、一回書いたら消せないみたいな。それも手間はかかってしまうんですけど、消せなくて強い線じゃないですか「ボールペン」っていうのは鉛筆と違って。それを重ねて綺麗な絵にしていきたいな。ってなり、手書きのアニメーションを今書いています。

ー どんなストーリー何ですか?

中)アニメーションというよりもイラストっぽく考えてしまう癖があって、あんまり絵を動かすっていう意識がなかったんですけど、その中で窓を書いてその窓の外に展開される世界を書きたいなって思ってて…。 ずっと動かない窓があって、プラス外で世界が動いてる。というアニメーションが書きたかったです。

ー すごいこだわりがあって、負けず嫌いな中村さんなんですね。

中)そうかもしれません(笑)。

ー 結構そういった繊細な感じや、記憶とか周りで起こってることを聞いていて、大切にされてるなと思ったんですけど、今はどういうテーマが一番気になられますか?

中)そうですね、自分とか自分の思ってることとかをダイレクトに表現する機会って、普通に生活してる上ではないことじゃないですか。それを課題とかであっても作品として、自分の思ってることとかやりたいことを提示できる場。っていうのが大学来てから初めてだったので、それができてるのがすごく楽しいから、やっぱ自分の記憶とか自分自身が経験してきたこととかをテーマにしよう。と思ってるのが多いですね。

ー 前原さんの過去作品について。 【SIGNAL / NOISE】はすごい人気ですよね。

前) 人気なの?(笑)

ー 映像コースの人は皆さん知ってますよ!

前) あ。ありがとうございます。

ー「音が光を制御する」というコンセプトだったと思うのですが、構想のきっかけは何ですか?

前) きっかけは…。
通学している地下鉄の車内で、窓の外に見える蛍光灯が、たまにこう、自分の聴いている音楽に同期することがあって。 イメージとしては、「音楽の波長」みたいな。 その波長を光の動きとかに当てはめてみようと思って作りました。
実際作品を作る時は、光に音を合わせないといけないんだけど…。

「SIGNAL / NOISE - Trailer -」(2013年)
Directed by UMA MAEHARA

ー なるほど。そのイメージを実写映像を使ってやっているのが良いなと思いました。

前) 逆に、あまりプログラミングやモーショングラフィックスとか、最初からあまり興味がなかったというか…。

ー えっ(笑)

前) カッコいい!とは思うんですけど、その時は「実写でやろー」ってなったんです。

ー 色んなシチュエーションで撮影されていましたが、どうやって撮影されているんですか?

前) どうやって?例えばトンネルのシーンは高速道路のトンネルで撮影しました。あとは伊丹空港とかに行って…。1日中撮影したのに、飛行機を使ったのが1部分。しかもどこからでも撮れるようなもので、伊丹空港に行った意味が無くって。わざわざ電車乗って伊丹まで行ったのに、全然迫力のある画とかを使わなかったという。

ー 苦いエピソードですね。

前) あ、でも、その時にちょうど灯台を撮りたくて、別の場所に行くつもりだったんだけど、伊丹空港に行く途中に灯台を見つけて、そこで撮れました。色んな所で撮りましたね。

ー 撮影場所は、この作品の為に全て考えていったのですが?

前) そうですね。パッと思いついた時に、まあ絶対蛍光灯は入れると思ってました。でも電車の中だと色々撮りづらいので(笑)。
それで高速道路の、トンネルの中を選びました。あとは、これに音付けたらおもしろいだろうな、ってのを全部書き出してって、それを順番に撮りに行きました。

ー この作品にボリュームがあって面白いのはその行動力からきているのですね!

ー 次回作についてお聞かせください。

前) 今作ってるのは、画面を細分化して…とりあえず…朝から夜まで定点撮影をして。1つの画面上に映像を分割してどんどん入れてって。その分割数がどんどん増えていって…日の出から日の入りまでのグラデーションってイメージです。
あ、これ多分…文章で書いても分かんないと思うんですけど(笑)。

ー 難しいですね(笑)実験的な作品になるということでしょうか。

前) …はい(笑)

ー 映像コースに入ってよかったなと思うところは?

中)先生たちがなんでも自由にさせてくださるので作品とか作りやすくててよかったなと思います。

前)作りたいものを作れるっていうのは一緒ですけど。課題とか細かいところから完成まで全部一人でする授業が多いので、自分は誰かに手伝ってもらうとかがあまり得意ではなく全部一人で構成考えて撮影して編集できるのでそういうところはとてもよかったなと思います。

ー 映像での表現について。

中)私は中学、高校と美術館に行く機会が多くて静止画っていうものしかあまり見たことがなくて。美術館などは、絵があってその絵の説明があるじゃないですか。映像コースに入っておもったのが、映像って視覚にも聴覚にもうったえるから説明がいらないなと思いました。だいたいのことは文章とかなくても伝えたいこと伝わるのではないかなと思います。
文章化してしまうと作者とか筆者の人が組み込まれてしまうから、そういう面では映像は作った人の思いはあるけど解釈は自由だからそれが映像のおもしろさでもあるかなと思います。

前)僕は、映像や音というものを編集することによって自分が普段目で見ているものが自分の思う面白いモノに変形できるからそういうところがおもしろいと思います。

ー 今後の活動について。

中)それなりに素朴にやっていきたいなっていうのがあるんですけど、やっぱり東京に行くとか海外に行くとか、いったん自分のいる場所を変えるというか、考え方を変えるみたいな、行きずまってきたときにそういうところに行って視野を広げたいなっていうのは思います。

ー社会学だったり世界の社会状況に目を向けてるとお聞きしたのですが。

中)基本的に中学高校とそういうのを勉強していたのでそれと合わせて、海外って日本みたいに、美術の時間があるとこって少ないらしくてそういう文化的な時間が子供にないから、簡単に言えば心が荒んで、戦争とかが起こるじゃないですか。そういうのを緩和するために、美術とか文化に触れるみたいな機会を、まあ海外だけじゃなくても作れたらなあ、みたいなことも思ったりします。

前)大学在学中は、とりあえず思いついたものを形にできたらいいなと。できるだけたくさんの作品を作れればなと思います。今はそういう風にしか思えないですね…。自分の作品をたくさん人に見てもらって、できるだけ多くの感想を聞きたいというのはあります。

ー あまり遠い先のことは考えず?

前)就職します(笑)

ー CRYSTAL IMAGE0について意気込みを!

前)今まで見てもらったことのない人に見てもらえればうれしいです(笑)映画館で上映してもらう機会ってなかなかないことなので、たくさんの人に見てもらえるいい機会だと思ってるので、みなさんぜひぜひ京都シネマに足をお運びください。

中)学生で企画して学生で運営して、自分たちでひとつの大きなもの企画しているので、すごいことだと思います。だから、自分の作品を見て欲しいというのもあるんですけど、そういう頑張っている人たちがあってのCRYSTAL IMAGEだと思うのでそれが伝わればなあと思います。